問1 原子力関係の用語の説明として,誤りはどれか。
プルサーマル=原子力発電所の使用済み燃料に残るプルトニウムを再利用すること
臨界=核分裂が持続的に進み始める境目のことをいう。
劣化ウラン=天然ウランの濃縮工程で副生するウランー235濃度が減った分の成分。
重水炉=普通の水(H2O)を冷却材・減速材の両者として用いる原子炉。
高速中性子炉=核分裂で生じた高速中性子を減速せず,そのまま利用する型の原子炉。
問2 次は,「表現の自由」に関する記述であるが,誤りはどれか。
表現の自由を保障するとは,公権力によるこれらの自由の侵害を禁止することであるが,この自由の保障も無制限のものではなく,公共の福祉という原則によって制限されることがある。
憲法第21条の保障する表現の自由には,報道の自由も含まれ,報道の自由のためには取材の自由も認められる必要があるが,最高裁は,新聞記者に取材の自由を根拠に取材源に関して証言拒絶の権利はないとしている。
言論,出版,その他一切の表現の自由には,写真,演劇,放送などの手段による表現の自由も含まれる。
法廷の傍聴席において,傍聴人がメモを取ることは,「表現の自由」を憲法が直接の権利として認めており,保障されている。
事実を報道する自由は,表現の自由として認められ,そのための取材活動の自由も尊重されるべきであるが,取材の自由に対しては表現の自由以外に制約が加えられることが多い。
問3 次は,正当防衛と緊急避難の異同に関する記述であるが,誤りはどれか
正当防衛は,保護される権利が「自己又は他人の権利」である場合に,また緊急避難は,保護される権利が「自己又は他人の生命,身体,自由又は財産」である場合にそれぞれ成立するが,両者の意味内容は実質的には同一である。
正当防衛の要件である「不正の侵害」とは違法な法益侵害を指し,他方,緊急避難の要件である「危難」とは違法でない法益侵害を指す。
正当防衛は防衛の意思をもって行われた場合に限り,また,緊急避難は避難の意思をもって行われた場合に限り,それぞれ成立するものであり,これら意思を欠く行為は,正当防衛あるいは緊急避難とならない
正当防衛においては,厳格な法益の権衡は不要であり,防衛行為により侵害した法益が防衛しようとした法益を上回っても正当防衛が成立し得るが,緊急避難においては厳格な法益の権衡が求められており,避難行為により侵害した法益が守ろうとした法益を少しでも上回った場合には,緊急避難は成立し得ない。
正当防衛も緊急避難も,補充性の要件,すなわち他にとるべき方法がなく,防衛あるいは避難に及ぶことが唯一の選択肢であったことが成立要件となる
問4 次は,令状の呈示に関する記述であるが,誤りはどれか。
捜索差押許可状の呈示は,被処分者に対して行うのが原則であるが,被処分者が不在の時は,立会人に対して呈示する
緊急逮捕後,逮捕状が発付された場合において,これを被疑者に呈示すべき法的な義務はない。
令状呈示は,相手方がその内容を了知し得る程度に行わなければならず,単にちらりと見せるだけでは不十分である。
逮捕状を緊急執行した場合において,事後に逮捕状を被疑者に呈示すべき法的な義務はない。
被処分者において証拠隠滅を図る高度の蓋然性が存在するときは,捜索差押許可状の呈示に先立ち捜索場所へ立ち入り,現場保存的行為を行うことも許容される場合がある。
問5 次は,ひき逃げ事件の初動捜査に関する記述であるが,妥当でないのはどれか
現場に先着した場合には,被害者の救護,現場第一報,現場保存,関係者の確保など手順よく,迅速に行う。
逃走方向には落下物などの遺留品が残されていることに配意し,現場を中心に絞って立ち入り禁止区域を設定する。
目撃者を確保するため,必要により,現場付近にいる野次馬を写真撮影しておく。
ひき逃げ事件を受理した時は,届出人の住所,氏名,届出時間,届出内容などを確認する。
現場急行中といえどもその途中において,順行,逆行する車両,駐車車両に注視し,容疑車両の発見に努めるとともに,ナンバーチェックを行う。