問1 次は,国会に関する記述であるが,妥当でないものはどれか。
各議院の議員の逮捕許諾の要求は,内閣が,所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣に提出した要求書を受理した後,速やかにその要求書の写しを添えて,当該議院に要求するものとされている。
両院協議会においては,協議案が出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されたときに成案となる。
国会の会期中に議決に至らなかった案件は,原則として後会に継続しないが,特別な場合は例外が許される。
議案の提出権は,各議院及び各議員にあるとともに,当然内閣にもその権限を有している。ただし,議員は,一定数の賛成者を要し,各議員単独では行い得ない。
議員は,議院での演説,討論,表決について責任を問われることはないが,ここにいう「責任」とは,刑事上の責任のほか,民事上の損害賠償責任も含まれる。
問2 次は,住居侵入罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
正当な理由なしに他人の住居に侵入した者が,居住者から退去の要求を受けてもその住居から退去しない場合には,住居侵入罪に加えて不退去罪も成立する。
親友の居住するアパートを訪ねたところ,不在であったため,帰宅を待つつもりで部屋に上がり込んだ場合には,本罪の構成要件該当性を欠く。
別居中の夫が,妻の不貞の現場を撮影するために家に侵入する行為は,本罪を構成する。
本罪の「住居」には,住居として用いられている建物のほか,その囲繞地も含まれるから,正当な理由なしに他人の居宅の囲繞地へ侵入した者は,本罪の刑責を負う。
アパートの共用部分である通路は,本罪の客体である「住居」に当たる。
問3 次は,令状による捜索・差押えに関する記述であるが,正しいものはどれか。
窃盗被疑事件の捜査に当たり,令状の発付を得て被疑者の居宅を捜索したところ,覚せい剤が発見された場合,新たに覚せい剤取締法違反被疑事件に係る捜索差押許可状の発付を得ない限り,当該覚せい剤を差し押さえることができない。
差押許可状は,差押目的物が特定して記載されていることを要するから,差押目的物として,複数の具体的な物件名に続いて「その他本件に関係があると思料される一切の物件」のような概括的記載がなされた差押許可状は無効である。
覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査に当たり,被疑者の居宅を捜索場所とする捜索許可状の発付を得て被疑者の居宅を捜索したところ,被疑者の愛人が在所していた場合には,常に,愛人の所持するショルダーバッグ内を捜索することができる。
被疑者の居宅を捜索するに当たり,証拠隠滅を図るおそれが極めて高い場合には,令状呈示を後回しにして捜査員を先に居宅内へ踏み込ませ,配置が完了した時点で令状呈示をすることも許される。
人の看守する建造物を夜間に捜索する場合には,常に夜間執行の許可を受けなければならない。
問4 次は,警備業に関する記述であるが,誤っているのはどれか。
警備業は,事務所,住宅,興行場,駐車場,遊園地等(以下「警備業務対象施設」という。)における盗難等の事故の発生を警戒し,防止する業務であって,他人の需要に応じて行うものをいう。
人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し,防止する業務であって,他人の需要に応じて行うものをいう。
運搬中の現金,貴金属,美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し,防止する業務であって,他人の需要に応じて行うものをいう。
人の身体に対する危害の発生を,その身辺において警戒し,防止する業務であって,他人の需要に応じて行うものをいう。
「警備業」とは,警備業務を行う営業をいい,「警備業者」とは,認定を受けて警備業を営む者をいう。「警備員」とは,警備業者を含み警備業務に従事するものすべてをいう。「機械警備業」とは,定款で機械警備業務を行うとしている業者をいう。
問5 次は,道路交通法上,道路使用の許可対象となる行為についての記述であるが,誤りはどれか。
交通ひんぱんな道路において,寄付を募集し,若しくは署名を集める場合
広告又は宣伝のため,車両等に著しく人目を引くような特異な装飾その他の装いをして通行する場合
道路法による道路の管理者が道路の維持,修繕,その他管理のため工事又は作業をする場合
場所を移動しないで,道路に露店,屋台店,その他これに類する店を出す場合
道路にみこし,だし等を出し,又はこれらを移動する場合