問1 次の時事用語の略称とその説明のうち,誤りはどれか。
FTA=自由貿易協定
MRI=道徳再武装運動
BSE=牛海綿状脳症(狂牛病)
P3C=海上自衛隊固定翼哨戒機
SARS=重症急性呼吸器症候群(新型肺炎)
問2 次は,政教分離に関する記述であるが,誤りはどれか。
県知事が,靖国神社及び県護国神社に対し,その例大祭に際し,玉串料等の名目で県の公金を支出した事案。
市が,小学校の増築のため,遺族会所有の忠魂碑を別の私有地に移転・再建した事案。
市が,市民体育館の建設に当たって,市の公金を支出して神道固有の方式に従った地鎮祭を挙行した事案。
内閣総理大臣等が,靖国神社に国の機関として公式に参拝し,供花代金として公費を支出した事案。
自衛隊地方連絡部職員が,殉職自衛官を県護国神社に対して合祀するように働きかけた事案。
問3 管轄区域の境界周辺における事案に関する権限行使についての次の記述のうち,妥当でないのはどれか。
管轄区域外における権限行使は,「管轄区域が隣接し,又は近接する都道府県警察」が相互に協議したところにより許される。
「社会的経済的一体性の程度,地理的状況等から判断して相互に権限を及ぼす必要があると認められる境界の周辺」における事案を処理するため権限を及ぼすことができるのである。
「社会的経済的一体性の程度,地理的状況等から判断して相互に権限を及ぼす必要があると認められる境界の周辺」については政令で定められており,原則として境界から15キロメートルの範囲内とし,境界がトンネルである場合や高速道路の出口が境界から15キロメートルを超える場合には,その出口までとされている。
協議の対象となるのは,境界周辺における事案の全般であり,警察署長の権限の及ぶ範囲のものに限る。
例え,協議によって,隣接警察官が権限行使することのできる区域を定めたとしても,その区域を管轄する警察署の公共の安全と秩序の維持に関する責任は解除されたものではない。
問4 次は,文書偽造罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
本罪は,文書の作成名義を偽る有形偽造を処罰の対象とするものであり,名義人が内容虚偽の文書を作成する無形偽造については,公務員につき虚偽公文書作成罪が成立し得ることは格別,本罪を構成しない。
名義の冒用に際し,冒用する名義は実在者である必要はなく,死者や架空人の名義を冒用した場合であっても,本罪は成立する。
真正に成立した文書の内容に名義人でない者が変更を加える行為は,その程度いかんを問わず「変造」にとどまり,「偽造」とはならない。
本罪の客体である「文書」は紙である必要はないが,ある程度永続的なものであることを要するので,砂浜の上に書いた文章は「文書」ではないが,黒板の上にチョークで記した文字群は「文書」である。
別名(通称名)が本人を指称するものとして社会一般に広く使用されている場合,その別名を使用しても,名義人と作成者との間に人格の同一性が認められる限りにおいては,他人名義を冒用したとはいえない。
問5 次は,逮捕の現場における捜索・差押えに関する記述であるが,誤りはどれか。
私人が現行犯人を逮捕し,その直後に現場臨場した警察官は,その身柄を受け取った後,令状なしに犯人の身体と所持品を捜索することができない。
ホテルのロビー等の共用部分で被疑者を逮捕した場合には,被疑者の宿泊する個室も「逮捕の現場」に当たるから,これを令状なしに捜索することができる。
被疑者を路上で逮捕したが,逮捕現場付近の状況に照らし,その場で直ちに捜索・差押えをすることが適当でないときは,速やかに被疑者を最寄りの警察署,交番等へ連行した上で,これらの処分を実施することができる。
逮捕の現場における捜索・差押えの要件を備えない場合であっても,警察官職務執行法第2条4項の規定に基づく身体捜検を行うことは妨げられない。
被疑者に逮捕状を示して逮捕しようとしたところ,やにわに逃走したため,これを追跡して逮捕した場合には,被疑者の逃走経路全体が「逮捕の現場」となるから,その全体を無令状で捜索することができる。