問1 次は,国会の権能を列挙したものについての記述であるが,妥当でないものはどれか。
条約を締結すること
内閣総理大臣を指名すること
法律案の議決をすること
弾劾裁判所を設置すること
憲法改正について発議すること
問2 憲法改正について発議すること
国又は地方公共団体の公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を与えたときは,その国又は地方公共団体が賠償責任を負うという代位責任がとられている。
公権力の行使とは,法律の規定に基づいて命令・強制を行うことだけではなく,公の機関として,一般私人と異なる立場で行う公務の全体を言い,報道機関への発表や警察の行う任意活動も含む。
職務との関係については,公務員が職務を行うについての不法行為に限られ,例え公務員本人が自己のため公務員の職務の外形を利用したにすぎない場合も含むとされている。しかし,公務員が職務と無関係な行為であった場合には,国家賠償法の適要はない。
故意又は過失とは,公務員には違法な行為を行わないようにする注意義務があり,公務に客観的な違法性があれば,過失の存在が認められるのが一般的である。この他,その行為を行う時点では適法との解釈があったことが,その後の判例,解釈の変更によって違法とされるような場合には,特別の事情として違法性が否定される場合もある。
違法性とは,行政機関が違法な行為を行ったことであり,法律で具体的に定められた権限の行使について,それに従わなかった場合には違法となるのであって不作為の場合には違法性はない。
問3 次は,通貨偽造罪及び偽造通貨行使罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
通貨偽造罪にいう「行使の目的」とは,自ら行使する目的と他人をして行使させる目的の双方を含む概念である。
偽造通貨行使罪は,行使の目的をもって偽造された通貨を行使した場合に限り成立する。
行使の目的をもって紙幣を偽造しようとしたところ,一見しただけでは偽貨と分からないものの,やや精巧さを欠くため,注意深く見れば素人でも偽貨であることが分かる程度の出来映えのものしかできなかったとしても,通貨偽造罪が成立する。
支払能力を示すために,いわゆる「見せ金」として取引先に偽造通貨の束を示しただけでは,偽造通貨行使罪は成立しない。
ロシア人がロシア国内の自宅で,行使の目的をもって一万円札を偽造した場合には,我が国の刑法が適用される。
問4 次は,弁護人の選任に関する記述であるが,誤りはどれか。
被告人又は被疑者の法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族及び兄弟姉妹は,独立して弁護人を選任することができる。
公訴の提起前にした弁護人の選任は,第一審においてもその効力を有する。
被疑者は,他の弁護人選任権者が選任した弁護人を,自らの判断で解任することができない。
公訴の提起後における弁護人の選任は,審級ごとにこれをしなければならない。
被疑者は,原則として,3人を超えて弁護人を選任することができない。
問5 次は,運転免許証の行政処分に際しての意見の聴取と聴聞についての記述であるが,誤りはどれか。
運転免許の取消し又は免許の効力を90日以上停止しようとするときは,公開による意見の聴取又は聴聞を行わなければならない。
意見の聴取又は聴聞の期日の1週間前までに,当該処分を受ける者に対し,処分をしようとする理由並びに意見の聴取又は聴聞の期日及び場所を通知しなければならない。
意見の聴取又は聴聞を実施する場合は,意見の聴取等の期日及び場所が当該処分を受ける者に個別に通知がなされている限り,公示手続きは省略することができる。
免許の取消し等を受ける者の所在が不明であるため,通知することができず,かつ,公示をした日から30日を経過しても,その者の所在が判明しないときは,意見の聴取を行わないで,免許の取消し又は効力の停止を決定することができる。
意見の聴取又は聴聞に際し,処分を受ける者から口頭でなされた意見又は弁明については,意見の聴取調書又は聴聞調書を作成しておかなければならない。