問1 次は,国会の活動に関する記述であるが,妥当でないものはどれか。
国会は,衆議院と参議院により構成されるが,内閣不信任の議決は衆議院のみが有する。
国会単独立法主義とは,法律は国会の手続きのみにより成立することをいい,憲法上例外規定は存在しない。
衆議院の開催を決定し得るのは,内閣であって,衆議院が自らの意思によって解散する自律解散は認められないと解されており,衆議院が解散されたときは,参議院は自動的に閉会となる。
両院協議会は,両議院の議決が一致しない場合にその間の妥協を図るために設けられている協議機関である。法律案についての両院協議会の開催は任意的であるが,予算,条約,内閣総理大臣の指名の場合は必要であり,必ず開催しなければならない。
参議院の緊急集会の召集は,解散により衆議院が存在しない場合に限られている。
問2 次は,談合罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
本罪にいう「談合」とは,特定の者を契約者とするために,他の者は一定価格以下の値で入札しないことを協定することをいう。
本罪は,公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で談合をした場合に限り成立する目的犯である。
本罪の主体に特段の制限はないので,入札の意思が全くない者であっても,入札の結果に影響を及ぼし得る地位にあるものについては,本罪の主体となり得る。
本罪は,談合をしただけでは既遂とならず,談合に加わった者が実際に入札した時点が既遂時期となる。
談合に加わった者が,実際には談合内容と異なる入札をしたとしても,本罪の成立は妨げられない。
問3 次は,公訴時効に関する記述であるが,誤りはどれか。
共犯の一人に対してした公訴の提起による時効の停止は,他の共犯に対してその効力を有する。
犯人が国外にいる場合は,たとえ捜査機関が犯人の所在を把握していたとしても,公訴時効の進行は停止する。
AがBに窃盗を教唆したところ,その3年後,Bが窃盗をし,さらに5年が経過した。この場合,Bの窃盗罪については公訴時効が成立していないが,Aの窃盗教唆罪については公訴時効が成立している。
殺人罪で起訴されたが,公判廷での審理の結果,傷害致死罪に当たる事実しか認定できず,しかも起訴の時点では既に同罪の公訴時効が成立していたことになる場合は,免訴判決が言い渡される。
科刑上一罪に当たる複数の罪の公訴時効は,最終の犯罪行為が終わった時点から一括して進行する。
問4 次のうち,司法警察職員捜査書類簡易書式例適用対象事件でないものはどれか。
詐欺(無銭宿泊)事件
窃盗(自動車盗)事件
業務上横領事件
傷害事件
恐喝事件
問5 次は,交通反則通告制度における告知を行わない特例に関する記述であるが,誤りはどれか。
違反者の居所又は氏名が明らかでないとき。
違反者が違反事実を否認するとき。
違反者が逃走するおそれがあるとき。
違反者の居所が不明のため,告知することができなかったとき。
違反者が交通反則通告書の受領を拒否したとき。