問1 次は,知的所有権についての記述であるが,誤りはどれか。
知的所有権とは,従来、無体財産権と呼ばれていたもので,工業所有権及び著作権の総称をいう。
特許権とは,発明ほど高度でない自然法則を利用した技術的思想の創作に対して与えられる独占的な権利を言う。
意匠権とは,物品について創作した工業上利用できる新しい意匠に対して与えられる独占的権利を言う。
商標権とは,政令で指定する商品に文字,図形若しくは記号を表示し,商標登録を受けた商標を独占的に使用する権利を言う。
著作権とは,著作者が思想又は感情を創作的に表現した文芸,学術,美術又は著作物を経済的かつ独占的に利用できる権利を言う。
問2 「火中の栗を拾う」とはどんな意味か。次のうちのどれか。
忠誠心を言ったもので,命ぜられたなら栗がたとえ火の中にあっても拾いだすこと。
自分は危険な事をやり,他人にその冒険の獲物をせしめらること。
好きなものであってみれば,危険を冒してでもほしくなること。
地上にある他の栗を拾わず,わざわざ火の中にある栗を拾うあまのじゃくな行為のこと。
火の中の栗を拾うことによって勇気があることを示すこと。
問3 次は,脅迫罪・強要罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
脅迫の相手方足りうるには,自然人のみであって法人を含まない。
脅迫の告知される加害の対象は,相手方本人またはその親族の生命,身体,自由,名誉または財産に限定される。
脅迫罪は故意犯である。告知内容が人を恐れさせるに足るものであることの認識・認容を要する。
強要罪は被害者の意思実現・意思活動の自由を害する実害犯である。
親族に対して暴行を手段とする場合にも強要罪が成立する。
問4 日本国憲法の平和主義に関する記述について,誤っているものはどれか
平和主義として,「国民が再び戦争の惨禍が起きることがないように」と規定している。
平和主義として,「日本国民は,恒久の平和を念願し」と規定している。
平和主義として,「いずれの国家も,自国のことのみに専念し,他国を無視してはならない」としている。
平和主義の発現として,戦争の放棄をうたっている。
平和主義の発現として,戦力の不保持をうたっている。
問5 次は強制わいせつ罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
強制わいせつ罪では被害者に男性を含むことが,強姦罪と異なる特色である
13歳以上の男女に対して暴行・脅迫以外に欺罔を用いてわいせつな行為を行う場合も強制わいせつ罪が成立する。
強制わいせつ罪は個人の性的自由を直接侵害する罪である以上,公然わいせつ罪等のわいせつの概念よりも広いものとなる。
わいせつ行為は,必ずしも被害者の身体に触れる必要はない。裸にして写真を撮る行為も含まれる。
強制わいせつ罪の着手時期は,わいせつ行為でなく暴行・脅迫が開始された時点である。ただ,13歳未満の場合は、わいせつ行為の開始時点である。
問6 次は,殺人罪に関する記述であるが,誤りはどれか。
不作為による殺人罪の実行も可能であるが,その場合行為により殺すのと同視できる義務違反性が必要である。
自動車を運転中,誤って歩行者に重傷を負わせた者が,いったんは被害者を救護のため助手席に乗せたが,途中で刑事責任を問われることを恐れて遺棄しようと考えながら走行中,被害者を車内で死亡せしめたとき,殺人罪が成立する。
殺人罪の実行行為は,人を殺すという行為で,それは自然の死期に先立て他人の生命を絶つことで手段・方法を問わないとされ,有形的方法によるものとされ,無形的方法によるものは認められない。
1個の行為で2人の人間を殺害した場合は,2個の殺人罪が成立するが,ひとりの人間に向かって3回殺害行為を試み最後に目的を達した場合,1個の殺人罪のみが成立する。
殺人予備の場合,刑の免除が可能であり,刑の免除がない強盗予備罪との相違点である
問7 国会の各議院が,議院として独自に持っている権能に関する記述のうち,誤っているのはどれか。
議員の資格訴訟の裁判を行うこと。
議長その他の役員を選任すること。
議院規則を制定すること。
議員を懲罰すること。
緊急集会を開くこと。