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● 特徴
人身事故と物件事故の双方を、実務に役つよう捜査の初期活動から事件の処理までを分かりやすく解説。人身事故と物件事故の双方に事故の典型的事例多数を取り上げ、犯罪事実と図面を付し、事実認定の基準と捜査の要点を解説。危険運転致死傷罪に関する犯罪の記載例及び捜査の要点を解説。
● はしがき
交通事故の発生件数は年々増加の一途をたどっており、厳しい情勢にある。そしてこれら数多く発生している事故件数に対し、第一線の事故捜査員は、適正かつ迅速にこれら多くの事故件数の処理を効率的にしなければならない。大都市を中心に多くの車が走行する道路において、事故事件の早期処理は、大変重要なことである。
本書の特色は、およそ次のとおりである
○ 人身事故と物件事故の双方を実務に役立つよう捜査の初期活動から事件の処理までを分かりやすく解説した。
○ 人身事故と物件事故の双方に、事故の典型的事例多数を選び出し、犯罪事実と図面を付し、事実認定の基準と捜査の要点を解説した。
○ 刑法の一部改正(平成13年法律第138号)に伴い、危険運転致死傷罪に関する犯罪の記載例及び捜査要点を収録した。
○ 付録として、人身事故送致における簡約特例書式及び特例書式の運用要領、人身事故の正式送致例、物件事故の簡易送致例を収録した。
本書が、事故捜査に当たる警察官にとって少しでも役立つことができれば幸いである
なお、このたびの改訂に当たり、ご協力をいただいた各位に対し、心より深く感謝するものである。
平成23年5月13日 編者しるす
● 総目次
第一部 人身事故
第一章 捜査
第一節 捜査の初期活動
一 捜査の端緒
二 事故発生の報告又は届出を受けた時の処置
三 事故現場での活動
第二節 証拠の収集
一 実況見分
二 証拠品の押収と鑑定
三 死因又は傷害の部位、程度の確定
四 被疑者の取調べ
五 被害者の取調べ
六 目撃者の取調べ
第三節 ひき逃げ事件の捜査
一 ひき逃げ事件に対する捜査力の強化
二 初動捜査
三 現場鑑識と採証
四 ひき逃げ事件の車両検挙のための捜査
五 検挙後の捜査
第四節 刑事責任の究明
一 人身事故の際成立する犯罪
二 過失犯罪の理論と考え方
三 人身事故の過失犯罪類型
四 ひき逃げ犯罪
第五節 事件の処理
一 捜査の終了と当事者の示談その他
二 送致と送付
三 送致書の記載要領
四 人身事故に関連する物件事故の取扱い
第二章 過失事故の類型と過失の考え方
1a 発進時の事故(幼児不発見)
1b 発進時の事故(乗合自動車の乗降口からの乗客転落)
2a 後退時の事故(大型車両以外)
2b 後退時の事故(大型車両)
3a 停止時の事故(後続車と衝突)
3b 降車時の事故(ドア開放)
4a 歩行者との事故(発見遅滞)
4b 歩行者との事故(発見後措置失当―歩行者の駆け出し)
4c 歩行者との事故(発見後措置失当―歩行者の後退)
4d 歩行者との事故(発見後措置失当―歩道から横断歩道への歩行者の駆け出し)
4e 歩行者との事故(狭い場所での近接通過)
5a 飛び出した歩行者との事故(駐車車両の陰から)
5b 飛び出した歩行者との事故(停車中のバスの陰から)
5c 飛び出した歩行者との事故(路面電車停留所付近)
5d 飛び出した歩行者との事故(安全地帯の上から)
5e 飛び出した歩行者との事故(渋滞停止車両の間から)
6a 幼児・児童との事故(発見後措置失当―歩行中の幼児・児童の駆け出し)
6b 幼児・児童との事故(発見後措置失当―歩道から車道への幼児・児童の駆け出し)
7a 飛び出した幼児・児童との事故(狭い道路沿いの家屋や路地から)
7b 飛び出した幼児・児童との事故(遊戯中の数名の幼児・児童の一群から)
7c 飛び出した幼児・児童との事故(数名の幼児・児童が遊戯している附近にある物陰から)
7d 飛び出した幼児・児童との事故(先に横断を完了した仲間を追って)
8a 踏切の事故(第四種踏切)
8b 踏切の事故(第一種踏切)
9a 交差点の事故(赤色信号無視)
9b 交差点の事故(黄色点滅信号無視)
9c 交差点の事故(一時停止標識無視)
9d 交差点の事故(交通整理が行われていない左右の見通しのきかない交差点での出会頭の衝突)
9e 交差点の事故(幅員の狭い道路からの車両と幅員の広い道路からの車両との出会頭の衝突)
9f 交差点の事故(不注意な直進により優先道路の直進車と衝突)
9g 交差点の事故(不注意な左折により後続直進車と接触)
9h 交差点の事故(不注意な右折により左折車と接触)
9i 交差点の事故(不注意な右折により直進車と衝突)
9j 交差点の事故(不注意な左折・右折により横断歩行者と接触)
9k 交差点の事故(交差点附近の横断歩道上で歩行者と接触)
10 曲り角の事故
11 転回の事故
12a 追従の事故(前車に衝突)
12b 追従の事故(前車が避けた歩行者に衝突)
13a 追越しの事故(追越し禁止場所・交差点)
13b 追越しの事故(追越不適場所)
13c 追越しの事故(間隔に対する目測の誤りのため前車に接触)
13d 追越しの事故(右に進路を変更した前車に接触)
13e 追越しの事故(先行自転車の不安定な操縦)
13f 追越しの事故(先行自転車が右に進路変更)
13g 追越しの事故(対向車両と衝突)
13h 追越しの事故(対向車両及び歩行者と衝突)
14a すれ違いの事故(対向車両と接触)
14b すれ違いの事故(対向車両の陰から飛び出した車両と衝突)
14c すれ違いの事故(対向車両の前照灯の照射にげん惑)
15 高速度による事故(法定・指定速度違反)
16 滑走による事故(不適当な速度とハンドル操作)
17 運転操作上のミスによる事故(制動時にブレーキとアクセルを踏み違える)
18a 無免許運転の事故(無免許と運転技術未熟による重過失)
18b 無免許運転の事故(無免許と業務上過失)
18c 無免許運転幇助による事故(車両貸与)
19a 酩酊運転の事故(酒気帯びとひき逃げ)
19b 酩酊運転の事故(酒酔い)
20 居眠り運転の事故(徹夜の疲労)
21a 故障による事故(前照灯の光度不足)
21b 故障による事故(運転開始からの制動装置の故障)
21c 故障による事故(運転中に発生した操向装置の故障)
第三章 危険運転致死傷罪の犯罪事実記載例・捜査要点
1 アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で走行中の事故
2 薬物の影響により正常な運転が困難な状態で走行中の事故
3 進行の制御が困難な高速度で走行中の事故(第 1 項後段)
4 進行を制御する技能を有しないで走行中の事故(第 1 項後段)
5 通行を妨害する目的で運転中の事故(第 2 項前段)
6 赤信号の殊更無視による事故(第 2 項後段)
第二部 物件事故
第一章 物件事故捜査処理の認定
一 物件事故処理要領
二 反則行為と物件事故発生原因の認定
三 事故の記録
四 留意事項
第二章 捜査
第一節 捜査の準則
一 実況見分
二 当事者と参考人の取調べ
第二節 刑事責任の究明
一 物件事故の際成立する犯罪
二 一般物件の損壊と道路交通法違反
三 建造物の損壊と法一一六条
第三節 事件の処理
一 送致
二 送致書(道路交通法違反被疑事件報告書)の記載要領
三 少年事件の処理の特則
第三章 事故の類型と道路交通法違反事実の考え方
1 信号無視
2 指定場所一時不停止
3 徐行義務違反
4 優先道路通行車妨害
5 左折方法違反
6 右折方法違反
7 割込み
8 車間距離不保持
9 追越し違反
10(a)安全運転義務違反(不適当な速度とハンドル操作によりスリップ)―故意
10(b)安全運転義務違反(前方不注意)―過失
11 無免許運転と安全運転義務違反(制動の失策)
12(a)酒酔い運転
12(b)酒気帯び運転(安全運転義務違反)
13 居眠り運転
14 整備不良車両の運転
15 業務上(重)過失建造物損壊
付録1 人身事故送致に係る簡約特例書式の運用要領
第一 簡約特例書式の導入について
第二 簡約特例書式の記載要領
付録2 人身事故送致に係る特例書式の運用要領
標準書式及びこれに基づく特例書式について
付録3 人身事故の正式送致例
付録4 物件事故の簡易送致例
付 スリップ痕による車速算出表・滑走距離と摩擦係数から速度を推定する方法・乗用自動車の外観図・乗用自動車の構造図・人体各部の名称・人体骨格の全景
付 ABS装置の基礎知識
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