問1 公文書作成上の一般的な心掛けのうち,「類似した語句の使い分け」として,妥当でないものはどれか。
(1) 「から」と「より」=時及び場所の起点を示すには「から」を用い,「より」は比較を示す場合にだけ用いる。
(2) 「又は」と「若しくは」=「又は」は選択する語句を並べる場合に用いる。また,つなぎに段階がある場合には,大きなつなぎに「又は」を用い,小さなつなぎに「若しくは」を用いる。
(3) 「並びに」と「及び」=「並びに」は,二つの言葉を並べる場合に用い,「及び」は,並列される語句に段階がある場合,大きなつなぎに用いる。
(4) 「所」と「ところ」=「所」は,具体的に場所を示す名詞として用い,「ところ」は抽象的なところ,理由,原因を示す場合に用いる。
(5) 「へ」と「に」=「へ」は,方向を示す場合に用い,「に」は,場所を示す場合に用いる。

問2  次は,報道・取材の自由についての記述であるが,妥当でないものはどれか。
(1) 憲法第21条の保障する表現の自由には報道の自由も含まれ,報道の自由のためには取材の自由も認められる必要があるが,最高裁判例では,新聞記者に取材の自由を根拠に取材源に関して証言拒否の権利はないとしている。
(2) 事実を報道する自由は,表現の自由として認められ,そのための取材活動の自由も尊重されるべきであるが,取材の自由に対しては表現の自由以上に制約が加えられることが多い。
(3) 報道の自由は,公務員に情報提供義務を課すものではないから,警察官が報道機関に対し,職務上知り得た秘密を漏らした場合は,守秘義務違反となる場合がある。
(4) 報道の自由が憲法第21条の保障の下にあることから,報道機関の報道が正しい内容を持つために,報道のための取材の自由も同条の精神に照らし十分尊重に値する。しかし,取材の自由といっても何らの制約を受けないものではなく,公正な裁判の実現という憲法上の要請があればある程度の制約を受けるとして,裁判所によるテレビフィルムの提出命令を合憲とした。
(5) 法廷における写真撮影の許可を裁判所の裁量に委ねるとすることは,取材の自由を侵害するものであり,違憲であると解されている。

問3  保護に関する次の記述のうち,誤っているのはどれか。
(1) 保護ができる対象は,異常な挙動その他周囲の状況から合理的に判断して,応急の救護を要すると認める,精神錯乱又はでい酔のため自己又は他人の生命,身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者と迷子,病人,負傷者等で適当な保護者を伴わず,応急の救護を要する者である。
(2) 迷子,病人,負傷者等で適当な保護者を伴わず,応急の救護を要する者については,明文で「本人がこれを拒んだ場合を除く」としているのであり,本人が拒否した場合には絶対に保護できない。
(3) 保護の後の措置としては,できるだけ速やかにその者の家族,知人その他の関係者に保護した旨を通知し,その者の引取り方について必要な手配をしなければならない。また,そのような者が見つからないときは,速やかに適当な公衆保健機関,公衆福祉機関等にその事件を引き継がなければならない。
(4) 1項による精神錯乱者又はでい酔者の保護は,24時間を超えてはならない。もちろん,24時間以前においても酔いがさめるなどして保護すべき必要性が失われたときには,速やかに保護を解かなければならない。ただし,適当な引渡先がない等保護を継続する必要性がある場合においては,簡易裁判所の裁判官の許可状を得て,24時間を超えて保護することができるが,その延長に係る期間は通じて5日を超えてはならない。
(5) 本条によって保護した者については,その氏名,住所,保護理由,保護・引渡しの日時及び引渡先を毎週,簡易裁判所に通知しなければならない。

問4  次は,正当防衛に関する記述であるが,誤りはどれか。
(1) 「急迫不正の侵害」とは,法益侵害の危険が目前に押し迫っていることを指す。したがって,過去の侵害に対する正当防衛は成立し得ない。
(2) 急迫不正の侵害に対する防衛行為が相当性を著しく欠くものとなったとしても,いわゆる過剰防衛が成立し,犯罪不成立となる。
(3) 正当防衛は,急迫不正の侵害に対して「自己又は他人の権利」を防衛する意思でなした行為につき成立するから,他人に対する急迫不正の侵害に対する防衛行為も正当防衛となる余地がある。
(4) 正当防衛は,法文上「やむを得ずにした行為」につき成立することとなっているが,これは,防衛行為が侵害を避けるための唯一の方法であったことを求めるものではないから,たとえ他にとるべき方法があったとしてもなお「やむを得ずにした行為」に当たる場合がある。
(5) 正当防衛が成立する場合には,防衛行為をした者は,その結果として発生した事態に対する民事上の損害賠償責任を負わない。

問5 次は,令状による捜索・差押えに関する記述であるが,誤りはどれか。
(1) 捜索差押許可状を執行して捜索を開始したが,深夜になったためいったん捜索を中断し,翌朝から再開しようとするときは,再開に際して改めて令状呈示することを要しない。
(2) 女子の身体を捜索するに際しては,成年の女子を立ち会わせなければならないが,急速を要する場合はこの限りでない。
(3) 住居に対する捜索に際し,被処分者たる住居主等の居住者が不在のときは,立会人を確保の上,立会人に令状を呈示することにより,捜索に着手することができる。
(4) 軽犯罪法違反などの軽微な事件の捜査のための令状による捜索・差押えは,逃亡のおそれ又は罪証隠滅のおそれがある場合に限り許容される。
(5) 被疑者の勤務先に設置された被疑者使用の机を対象とする令状で,机の脇にあったくずかごの中を捜索することは許容される。